ロアー

ふたりのマエストロのロアーのレビュー・感想・評価

ふたりのマエストロ(2022年製作の映画)
3.7
前回同じ映画館に来た時に予告が流れていて、近々配信にくるだろうけど、やっぱり音楽映画は劇場で音を浴びた方が気持ち良いだろうなと思って観てきた。

秘書のミスによって、夢のオファーが間違ってパパの方に...
ミスした秘書じゃなく、何の落ち度もなかった息子の方が尻ぬぐいをしなきゃならないような、そういう巻き込みミスは本気でヤメてよ...と思わずこっちまでお腹が痛くなっちゃった。

同業者だからこそ反発してしまう反面、同業者だからこそ誰よりも深く分かり合える。しかもマエストロと言う芸術家として、同じ目線に立てる者がものすごく限られてしまう/誰もいないような一種の孤高の職業の上にある親子関係。その表裏一体の愛憎のような辛さとありがたさは、呪いであり祝福でもあるんだろうな。

ラストは予想通りの展開だったけど、むしろその予想通りのラストを観に行ったので、すごく感動したしすごく素敵な映画だと思った。
あのコンサートを生で体験してみたい...多分、私があの場にいたらコンサートの後めちゃくちゃ興奮して、SNSに「やばかった!」って語彙力のない書き込みをしまくって、周りの人にも「すごかったんだよ!」ってこれまた語彙力のない話をしまくるんだろうなと言う妄想まで見えた。

なお、先日亡くなられた小澤征爾さんも、スカラ座に立った偉大な指揮者として主人公ドニが見ている映像に出てきてた。
去年、ジョン・ウィリアムズも来日すると言うので、実は「セイジ・オザワ松本フェスティバル」に行こうと計画を立ててたんだけど、どう頑張っても松本に行って日帰りするのが無理だったので(おひとり様宿泊ができない人なので)諦めちゃったんだけど、今となっては本当に行けば良かったと後悔の気持ちしかない。
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