白昼の遅刻魔

瞳をとじての白昼の遅刻魔のレビュー・感想・評価

瞳をとじて(2023年製作の映画)
4.9
劇中劇と見せかけてきちんと本筋なのがすごい。この大きすぎる映画愛を自分は作者ほど信じられないけれど、観ている間考えが止まらなくなる映画だった。俳優にとって名前とは何なのか、記憶とは何なのか…。「無駄でもやったほうがいい」(大意)という台詞は人生の警句のようでもある。そしてガルデルの心を映したようなボロ小屋の美術がすばらしい。二人が漆喰を塗って作り出したのはスクリーンだったのだろう。映画は光だし、映画は時間であることを改めて突きつけられる。