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瞳をとじてのnmnのレビュー・感想・評価

瞳をとじて(2023年製作の映画)
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記憶が失われても、記録は残っているということは、希望であると同時に、皮肉なことだとも思う。
失いたくないものも、もしかしたら失いたかったかもしれないものもあって、自分の願いや行動が、他の誰かにも同じように感じられるということはない。
だから人生について、問わずにはいられない。
フリオが失踪した場面を想像するミゲルはどこか羨ましそうにも見えた。

フリオを取り戻したら、ガルデルはどこにいくのか。
名前に意味はない、ということは恐らくない。

変わってしまって、取り戻すことはできないのだから、魂を揺さぶって、あなたも私もただここにいるのだと感じられるだけで十分だ。
生きてきた時間と映画に賭けたのだと思う。
これはものすごく純粋な誠実さだ。
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