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あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。のFOのレビュー・感想・評価

5.0
何かを伝えたい映像作品は、直球が良いと思っています。
ド直球、主題歌の歌詞もド直球。

泣かせるためだけの軽い話でないことは、原作者の汐見さんがこの小説を書いた理由からわかります。

汐見さんは、鹿児島県出身。
子供の頃、知覧特攻平和会館で特攻隊員のことを知って衝撃を受けたそうです。
高校の先生になり、今の高校生が戦争や特攻隊のことを知らないという現実に直面し、若い世代に、自分が受けた衝撃を伝えるため、小説を書いたそうです。
ケータイ小説、ライトノベルというジャンルを選んだのは、若い人達に読んでもらうためなのでしょう。
納得の選択です。

汐見さんの言葉(Xより抜粋)
「…特攻作戦がなぜ始められ、なぜ続けられてしまったのか。
彰達の物語を、『戦時中の人達は可哀想、現代は恵まれている、現代に生まれてよかった、感謝しなきゃ』で終わらせては絶対にいけないと思っています。」

将来ある若者の命を奪う人道的に許されない作戦を日本はなぜ選択してしまったのか?
あの花が、戦争を考えるきっかけをくれたこの機会に、特に若い方には一歩踏み込んで調べてみてほしいです。
そこには、未来への警鐘があると思います。

よくあるのですが、泣けるということをアピールする映画の広告の仕方は良くないと思います。もっと内容をアピールした方が良いです。
でも、切ないラブストーリーメインの映画という印象で若い世代が観に行きやすかったのなら、大成功なのかな?
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