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82年生まれ、キム・ジヨンのFOのレビュー・感想・評価

82年生まれ、キム・ジヨン(2019年製作の映画)
5.0
小さい子供がいる生活が、とてもリアルでした。
子供が小さかった頃の夕暮れ、世界に2人だけのように感じた孤立感がよみがえりました。
子供を連れての外出の大変さも、そのとおりでした。
監督の育児の実体験が活かされているようです。
公園やカフェで嫌味を言う人の中に女の人がいることで、原作の男対女の構図がなくなったという批評を見かけましたが、立場の違う女性からの無理解も、女性を苦しめる原因だと思っていたので、その方がリアルだと感じました。
姑のエピソードも、今まで、女性も自ら女性の地位を下げて来たことを感じさせます。
韓国は、儒教思想の影響で、男性優位社会だそうですが、世界の男女平等ランキング108位、日本は、それより低い121位。
共感できることが、ほとんどです。
すごく優しい夫の発言の中にも、社会にあふれる差別の感覚が、潜在意識の中に根深く存在しているように感じました。
夫を優しい人に描いた理由は、ジヨンが心を患ったのは、身近な誰かが悪い人だったからではなく、原因は、空気のようにに存在する差別だと表現するためだったとか。
納得でした。
空気のように存在する差別を可視化した映画。
何度も泣かされ、2時間があっという間でした。
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