ひでG

ほつれるのひでGのレビュー・感想・評価

ほつれる(2023年製作の映画)
3.9
今秋に公開された作品がもうアマプラに。
僕がNetflixに加入してから急にアマプラのラインナップが良くなった気がします😅(世の中自分中心に回ってます💦)

ほつれる、、確かに、ほつれるというか
逆に交わってないというか、、
感情移入し難い、いや、感情移入をさせない作品なように感じました。好き嫌いで言えば、結構好きな映画です。

何かの紹介で、不倫映画なんだけど、殆ど身体に触れるシーンは出てきません、って書いてあったけど、初っ端から門脇麦演じる綿子と染谷将太演じる木村が一泊不倫旅に行くシーンから始まります。
2人ともに家庭があり、燃え上がる秘めた恋なのでしょうが、どこか覚めているというか、淡々としています。

そんな静かな不倫旅行の終わりに大きな出来事が起こりますが、「えっ、、それでいいん?」て、行動に感じます。

アマプラでの設定が、聴覚サポートの字幕付きになっていました。
静かな映画で役者陣も囁くようなセリフも多かったので、そのまま鑑賞しましたが、
セリフが文字になって示されることで、
発せられる言葉と感情の落差、あるいは
歪みみたいなものを余計に感じることができて、かえって良かった気がします。

特に綿子と夫の会話は、表面的な丁寧さとは裏腹な冷たさと欺瞞と自己保護、他者攻撃の応酬、
特に夫役の田村健太郎さんのセリフ、いいですね〜
「まず、謝ろうか、」んん、癖になりそう、
いやらしい、このネチネチ感、堪らん!😅田村さん、助演ネチネチ賞!


カメラはアップにならず、2人を画面に両方が入るくらいのサイズで撮り続けます。
部屋の暗さ、そこに流れる空気の重さ、

綿子と木村の関係者との会話も実に重く、
冷たく、言葉は言葉の意味をなしていないようにも感じました。

大きな出来事に対して、これでいいの?と
思っていた綿子。
でも、彼女のその後を追うことによって、
彼女のうちにある感情がセリフでなく、
噴き上がっていくように感じました。
難しい役ですが、門脇麦さん、見事です。

社会の矛盾や運命に呑み込まれる人々を描いた作品ではありません。言うならば自業自得の人たちの話かもしれません。
だけど、その弱さ、ずるさが何だか心のひだに残っていきます。
かなりあと引く映画でした。
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