ナツミオ

パラダイスの夕暮れのナツミオのレビュー・感想・評価

パラダイスの夕暮れ(1986年製作の映画)
3.8
WOWOW on demand
【フィンランドの名匠 アキ・カウリスマキの世界】

 ”北欧版、昭和歌謡⁈の世界“

都会に生きるゴミ清掃車の運転手とスーパーマーケットのレジ係のラブ・ストーリー。

アキ監督作、『枯れ葉』(2023)に続き2本目は、監督初期の<労働者3部作>の第1作目を鑑賞。
時代を感じる80年代当時の時代感、『枯れ葉』に繋がるオリジナルを感じながら楽しめた♪♪

主人公2人の過去や背景説明も無く、
また心情もあまり描かれないが、
音楽が昭和歌謡っぽく、演歌的な匂いも⁇

フィンランドの鬼才アキ・カウリスマキ監督の初期の代表作<労働者3部作>の第1作で、主役の男女でマッティ・ペロンパーとカティ・オウティネンが初めて顔を合わせた記念碑的名作。

ストーリーは唐突に転換するので、あれっと思う間にエンディング……⁇
ニカンデルが精神疾患で入院している妹の見舞いに訪れるのも唐突で妹も少しだけ登場。そして、終盤はまるで『卒業』っぽい展開⁈

次は<労働者3部作>の2作目
『真夜中の虹』へ……


受賞歴
・フィンランド・ジュシ賞最優秀作品賞
・カンヌ映画祭監督週間出品
・モスクワ映画祭出品
・東京国際映画祭出品。

原題 『Varjoja paratiisissa』
英題 『Shadows in Paradise』

1986年フィンランド作品80分
監督・脚本・製作 アキ・カウリスマキ
撮影 ティモ・サルミネン
美術 ペルッティ・ヒルカモ 
編集 ライヤ・タルヴィオ
キャスト
・イロナ・ラジャマキ:
カティ・オウティネン

・ニカンデル:
マッティ・ペロンパー

・メラルティン:
サカリ・クオスマネン

・年配の同僚:
エスコ・ニッカリ

・イロナの女友達:
キッリ・ケンゲス

・スーパーの店長:
ペッカ・ライホ

・第3の男:
ユッカ=ペッカ・パロ
- 衣料品店の店長

・刑事:
スヴァンテ・コルキアコスキ

・ニカンデルの妹:
マリ・ランタシラ

・ホテル・クラーク:
アキ・カウリスマキ(カメオ出演)

(WOWOW番組内容より)
フィンランドの首都ヘルシンキでゴミ清掃人として働くニカンデル(ペロンパー)。
ある日、スーパーで買い物をしていた彼は
腕を怪我して出血しているのに気づいたレジ係の女性に手当てをしてもらい、イロナ(オウティネン)と知り合う。後日2人は運命の再会を果たすが、初デートは失敗に終わる。やがて仕事をクビになったイロナは、その腹いせに店の金庫を持ち出しし……。

(Kinenote解説より)
この無機質でどこか傍若無人な映像にアキ・カウリスマキは人生の敗北者を、愛を、そして人間の尊厳とプライドを映し出す。しかしその一方で、都会人のメランコリーをデフォルメされた映像センスで遊ぶことも忘れない。「白い花びら」公開記念に2000年4月29日から渋谷ユーロスペースで開催された特集上映「アキ・カウリスマキ・ゴーズ・ニッポン!」にて上映。
デビュー作から3作目、1作ごとにがらりと作風を変えその鬼才ぶりをいかんなく発揮したアキ・カウリスマキ監督の初期の傑作。
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