ナツミオ

お早よう ニューデジタルリマスターのナツミオのレビュー・感想・評価

3.7
NHK-BSシネマ録画鑑賞

 ”おはよう“

  は人間関係の潤滑剤……

これは前から観たかった小津作品。
実家で予約録画していたものを初鑑賞。
NHKさん、ありがとうございます♪♪♪

巨匠・小津安二郎監督の傑作コメディ。
デジタルリマスター版で観やすかった♪♪

子供目線からの、大人社会の不思議。
意味のない挨拶⁇、会話⁇
からコミュニケーションの気付きを覚えていく兄弟の成長物語。

観ていて浮かんだのは、
小津監督の戦前の作品、『生まれてはみたものの』(1932)。
こちらは軍国主義に向かう戦前の作品だが、同じく子供目線での大人同士の序列や格差、不条理を描く傑作だったが、戦後の高度経済成長をひた走る復興から脱却した昭和30年代が舞台。
内容は、ほのぼのファミリー・コメディ。

 オープニング・クレジットは遊び心が楽しい♪♪
 フォント?の一部が真っ赤♪♪

 多摩川の土手下の新興住宅地。

 このアングルは、ジョン・フォードも触れていた、地平線は上の構図♪♪♪
この構図は頻繁に出てくる!

 テレビの登場

 隣近所の付き合い

 お喋りな奥さん連中に誤解された、ある一家。

 押し売り

 押し売り対策の防犯機器を勧める男もまた、押し売りの仲間。

 当時の会社員の定年は50歳⁇55歳⁇

 笠智衆が若い♪♪♪

 大物俳優、続々出演。

 佐田啓二、久我美子の若い2人の未来が楽しみ♪♪♪

 佐田は、息子・中井貴一の顔の輪郭がそっくり。パーツは姉に受け継がれた⁇

 舞台設定は、多摩川沿いの新興住宅地。
 小津作品では結構登場する設定なので、
 ホームの場面は、蒲田駅かも⁇

 主人公の兄弟で弟、林勇役の島津雅彦が可愛らしい♪♪♪

小品だが、小津スタイルが完全に固まっている安定した作品。

1959年日本作品カラー・95分
製作 山内静夫
監督・脚本 小津安二郎
脚本 野田高梧
撮影 厚田雄春
音楽 黛敏郎
出演 佐田啓二 久我美子 笠智衆 三宅邦子 杉村春子 沢村貞子 ほか

(NHK解説より)
子供たちを主人公に、東京郊外の新興住宅地での隣近所の人間模様やテレビをめぐる家族のやりとりなど、庶民暮らしをナンセンスで軽妙なユーモアで描く。
小津作品には欠かせない笠智衆をはじめ、杉村春子、三宅邦子、佐田啓二、久我美子など、当時の日本映画の名優たちが共演。
子供たちのおそろいの服や鮮やかな赤の配色など、小津監督ならではのカラー映像や構図、演出も魅力的。



【忘備録】
(キャスト)
・福井平一郎:佐田啓二
- 失業中の青年。
英語の翻訳のアルバイト。

・有田節子:久我美子
- 会社勤めの若い女性。
姉・民子の家に居候。

・福井加代子:沢村貞子
- 平一郎と同居している姉。
自動車の営業。

・林敬太郎:笠智衆
- 定年退職を数年後に控えた中年男性。

・林民子:三宅邦子(大映)
- 敬太郎の妻。
節子の姉。加代子の同窓。

・林実:設楽幸嗣
- 敬太郎と民子の長男。中学生。

・林勇:島津雅彦(若草)
- 敬太郎と民子の次男。小学生。

・丸山明:大泉滉
- 林家の隣人。
近所で唯一のテレビ所有者。

・丸山みどり:泉京子
- 明の妻。
近所の主婦たちから白眼視されている。

・大久保しげ:高橋とよ
- 林家の隣人。

・大久保善之助:竹田法一
- しげの夫。

・大久保善一:藤木満寿夫
- 善之助としげの息子。中学生。

・富沢汎:東野英治郎(俳優座)
- 林家の隣人。定年退職して職探し中。

・富沢とよ子:長岡輝子(文学座)
- 汎の妻。

・原口きく江:杉村春子(文学座)
- 林家の隣人。

・原口みつ江:三好栄子(東宝)
- きく江の母。助産婦。

・原口辰造:田中春男(東宝)
- きく江の夫。婿養子。

・原口幸造:白田肇
- 辰造ときく江の息子。中学生。

・伊藤先生:須賀不二夫
- 実の担任。

・押売りの男:殿山泰司

・防犯ベルの男:佐竹明夫
- 押売りの男の仲間。

・巡査:諸角啓二郎

・おでんやの女房:櫻むつ子

・佐久間先生:千村洋子

・おでんやの亭主:島村俊雄

・客・通さん:菅原通済
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