パラダイスの夕暮れの作品情報・感想・評価

パラダイスの夕暮れ1986年製作の映画)

SHADOWS IN PARADAISE

製作国:

上映時間:80分

4.0

「パラダイスの夕暮れ」に投稿された感想・評価

C

Cの感想・評価

4.2
アキカウリスマキの映画そんなに観てないけど、今まで観た中で1番良い
色彩が素敵。基本、彩度と明度やや落とした赤青黄で構成されている。音楽も何パターンかあって面白い。ただ、幾つか、ここでジャズなのか・・?みたいな所や、スーパーの女がお洒落すぎないか・・?や、主人公そこまで神経質な感じもしないけども襟と髪整いすぎてないか・・?等、引っかかる部分があった。。

全体的には、物静かで穏やかで多くを語らない気持ちよさとやはり色調の良さが相まって、ほっこりした。ラストが情熱的音楽なのも主人公の心情が現れていて、面白かった。

エンドロールのフォントは何とかならないのだろうか。。笑(冒頭は凄くかっこいいのに〜!)


(備忘メモ)
→3分半のオープニング、心地よい。
0’07”50頃の朝食(?)おいしそすぎる。
0’11バンドも青/赤/黄でこだわりを感じる。
0’14”21の黄/青/赤の色調と構図が凄く好き!
0’17頃の男性2人の会話で流れるジャズ、お洒落すぎないか・・?一方で、0’34頃の歌入り音楽が懐かしい感じがしてとても良い。
0’19”50頃、車の青、女性の黄色の服、花の赤、それぞれのトーンに統一感があり素敵。
0’25のガソスタのシーン、女性が黄色のストール、青のインナー、ピンクのコートで、いやこれはお洒落すぎる。。キャラクターが掴みづらい。。
0’26頃の黄色の三輪車とても可愛い。
0’29-30レストランの画も、主人公の服の青、ランプの黄、女性の服のピンク、でこだわりを感じる。
0’40”28からの音楽と映像、かっこいい!ただ車で走ってるだけの所。懐かしくて物哀しく、孤独感を煽ってくる感じ。
0’47頃の結局レストランは入れずサンドイッチ食べるシーン、主人公の黒、ドラム缶の青、女性の服の黄、コカコーラの赤、色調が凄い。
1’03”00頃の、ジャズからの音楽切替、気持ちいい。
Ricola

Ricolaの感想・評価

4.3
ゴミ収集の仕事をするニカンデル(マッティ・ペロンパー)は同僚の死をきっかけに、独立を試みるがなかなかうまくいかない。ある日彼はいつも行くスーパーのレジ係のイロナ(カティ・オウティネン)をデートに誘うがこれもうまくいかない。
一方イロナも自分の人生に行き詰まっており…。


労働者の日常を優しくも現実的に描き出すカウリスマキ、やっぱり大好き…。

カウリスマキ作品の中では恋愛要素が強い方で、もどかしくて素直になれない様子や恋愛の切ない思いが胸にしみた。

男女どちらの思いも共感できた。こんなカップルいいな。

マッティ・ペロンパーの無表情なのに喜怒哀楽が伝わってくるのがとても好き。

毎回思うが、人生うまくいっていない人々に寄り添って優しく描いてくれるのが本当に素敵だし心が落ち着く。

カウリスマキ映画の中でも特にお気に入りの一つになった。
マッティがゴミ溜めからレコードを拾い耳元に当てた時にそのレコードの音楽が流れるという演出は斬新だと思った
TAKUMA

TAKUMAの感想・評価

3.8
エンディングが特に良いです。

だんだんカウリスマキにハマってきました。
のん

のんの感想・評価

3.7

ゴミ収集の仕事をしている孤独な中年男ニカンデルと、スーパーのレジ係をしている女との恋の物語。

黙々と働く男ニカンデルの姿がまず尊い。
イロナに無愛想に「なんで私といるの?」と問われてニカンデル。
「俺に理由なんてない あるのは名前と清掃車の制服だーーー理屈をこねる贅沢など俺にはない」
……痺れるねぇ。

ちょっとハードボイルド小説のような二人の恋が孤独な大人同士の恋の風景を引き立ててロマンチック。

ラストに流れる曲が、尾藤イサオに聞こえて仕方なかった。
うさぎ

うさぎの感想・評価

5.0
友人に貸す金を子供の貯金箱から工面するって、よく考えればクズなんだけどもなんかカッコいいな、妙に感心してしまった。
一人一人の個性に一本芯が通ってて、人間関係のベタベタしてない、心地好い距離感を生み出してる。
過去のない男でもそうだったけどカウリスマキの映画に出てくる人間は底辺に生きてても美学がある。姿勢が良いしな。まっすぐ前を見てる。そんなとこがステキだと思う。
カッッッチョイ〜。ゴミ収集の仕事をする男の 切なくも常に明るい、泥くさ…いやゴミくさラブストーリー。登場主要人物の全ての人たちの気持ちが分かる優しい不思議な映画。社会の課題も映ってはいるが、今作は問題提起などではなく 観る者の、“人を愛する心”を刺激する。故に観賞後とても世界が愛おしくなる。素晴らしい。
そ

その感想・評価

5.0
中年の男2人が一言も話さずゴミ収集車でひたすらゴミを集めるオープニングがもう良い。BGMがジャズなのもいい。

愛想をつかされた女に「明日出て行く」と言われて「今すぐでも良いぞ」と強がる。ショックでふて寝していると同僚がやってきて仕事しろと言われ、素直に仕事に出る主人公の不器用さ。

部屋のドア越しのキスシーンがとても良い
放っておいたら何をしでかすか分からないカウリスマキワールドの住人たちが陰日向にそっと花咲かせる歓びを共有できる人々に送った人生エールの大傑作 アキ・カウリスマキ「パラダイスの夕暮れ」

「いつ、どこで、何」が起こってもおかしくない、と充分に自覚しておりながら、実際にその場に立ち会ったときにそんな自覚が実は何の役にも立たないと更に自覚の上乗せをしたときに映画を観る歓びを味わえていた私たちですが、「誰が 何を」しでかすか分かったものではない、と思わせて実際に「誰かが 何かをしでかした」場面に遭遇すれば私たちを含めた他者というものは本当に無力な存在でしかなく、生きるとは、人生とはまさにこういうことだ、と映画を観る事で自覚させてくれるのがカウリスマキ作品です。
マッティ―・ペロンパーとカティ・オウティネンの相思相愛の想いが同時に弾けた瞬間、ああこのふたりは散々何やらをしでかし尽くしてようやく結ばれるんだなと確信出来た時、その場に居合わせた事に誰もが幸福に思います。
それまで比較的身近な市井の男女と感じていたビリーワイルダー「アパートの鍵貸します」のシャーリーとジャックの二人さえどこか他人事のようにふっと希薄なる瞬間です。
「パラダイスの夕暮れ」はそのタイトル通り陰日向だけにそっと花咲かせる幸福を充分に自覚できる者に捧げられています。
21世紀の私たちが観るべき本当の意味での人間賛歌映画です。
>|