国連機関が発表した2024年世界幸福度ランキングで7年連続堂々の一位の国フィンランド。そこのスモーキン・パラダイス都市ヘルシンキで暮らす不機嫌で無愛想な表情の男女二人の物語。
男はゴミ収集の仕事を女はスーパーのレジ打ちの仕事をしていて男が女に声をかけた。
そんな二人の仕事も互いの仲もちっとも上手くいかない様子を描いた物語。
フィンランドの労働者事情についてはよく知りませんが、二人に限らず本作に登場する大概の人達は表情が乏しく暗いのは何故だろうか。アキ監督の労働者三部作の一作目というがアキ監督にとっての労働者のイメージとはこうした物なのだろうか?あるいは本当にそうなのだろうか?幸福度No.1なのにね。
マッティ&カティなんていう名前の笑わない夫婦漫才コンビで、たいして面白いことも言わないキャラクターでデビューをしたとしたら、変わったものが好きな日本では売れるかも知れません。
たぶん二人は最後まで笑わないんだろうな、と思いながら観ていたら二人が一緒にヘルシンキを離れる段になって女の表情が一瞬崩れて柔和になるではないですか。
そんなにこの地が嫌だったのか?一発撮りの映画作家のアキ監督がミスったのか?計算通りだったのか?計算通りだったとしたら、あんな一瞬に笑顔を入れ込むだけではなくもっと判りやすくすればいいのにと思ってしまう。
多分、ここではない何処かを目指すことが重要なんだという監督の一瞬のサインではなかったか?と思う。