RyoIkeda

パラダイスの夕暮れのRyoIkedaのレビュー・感想・評価

パラダイスの夕暮れ(1986年製作の映画)
4.0
マッティ・ペロンパーとカティ・オウティネンが初めてコラボした記念すべき作品。

1980年代のフィンランド。
農業国からIT産業国へと移り変わっていくなかで、流れに乗れず取り残されてしまう若者もたくさんいた。
そんな場所と、時間のなかでスポットライトを当てられるのはごみ収集車の運転手とスーパーのレジ打ち係の2人だ。

敗者3部作のトップバッターを飾る本作だが、やはり無機質な表情と素っ気ないセリフ回しが監督の誠実さを物語っている。
労働者というモチーフが、派手な演技や作品的な言葉回しで着色されることを拒んでいるかのようだ。

単なる恋愛物語か。それとも、
資本主義に対するささやかなる抵抗か。
RyoIkeda

RyoIkeda