かぴばる

哀れなるものたちのかぴばるのレビュー・感想・評価

哀れなるものたち(2023年製作の映画)
4.8
 なんだかわからねぇがすごいものをみた。

 描かれているものは極めてシンプル。ひとりの少女の「親から愛された少女時代→悪い男と冒険する青春時代→逆境に陥る苦難と成長の時代→過去との対峙・親との死別」を描いた王道の成長物語なのだけれども、世界観と設定が特殊すぎる。倫理観とかないんか。

 心は幼児の女性版フランケンシュタインの怪物を演じるエマ・ストーンの卓越した演技力と、もう怪物博士そのものにしか見えなくて素顔を忘れるウィレム・デフォーの迫力が異様。情緒をめちゃくちゃにされるマーク・ラファロもとても良い。だよね、こういうヤバ女はわいも好きやで。

 熱烈ジャンプのシーンが多く、登場人物たちの倫理観もゼロなので見る人は選ぶ、万人受けしないことは確実な映画だけれども、音楽と美術、俳優陣の演技が凄まじいのでとにかく、おすすめ。