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哀れなるものたちのhatoのネタバレレビュー・内容・結末

哀れなるものたち(2023年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

頭フレンチブル身体アヒルちゃんが一番好き〜。

ストーリーは、ベラが船上〜パリで成長した結果ダンカンより知的になるところが好き。ゴッドとマックスを一生憎み続けてもおかしくないのに、自分の意思で二人を愛するところも良かった。あんな愛しいドラマ描けるんだ。

ヨルゴス・ランティモス作品はラストが想像の斜め上を行くイメージがあったけど、今回は弱くてある意味斜め上。寧ろ好きではなかったな。
子どもが飢える中自分は安全圏で何もできないことに涙を流していたのに、新たな人造人間(フェリシティ)を造った二人へ「怪物」と怒りを露わにしていたのに、フェリシティを使用人みたいに使ってるラストって普通に胸糞では(あのババアの使用人は金貰って働いてんだよな?何やってる?)。

一応自分の解釈としてベラは、男の良いように利用される人や、活動家・思想家みたいに自分の正義を貫く人にはならず、「それはそれ、これはこれ」と自分のことになると目を瞑る普通の人間になったんだと思ってる。自分が好きだった成長パートもあくまでそのラストへのフリだったのかなぁ、と。

確かに『バービー』含めた最近のフェミニズム映画は、パワフルかクレバーなカッコいい存在になって終わることが多い。それに対して「自分はそんな立派な人間にはなれないよ」という逆の息苦しさを覚える女性もいるかもしれない。そういう意味では良い終わり方なのか?
だからって昔の自分と同じ存在(というか知能の発達が遅いのでベラより劣ってる)を扱き使うようなオチは気分良くないよなぁ。
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