mona

哀れなるものたちのmonaのネタバレレビュー・内容・結末

哀れなるものたち(2023年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

蛙を潰して笑っていたベラが慈悲の心を持って涙を流すようになったのは良い友との知的な会話にのめり込むようになったからだったのだろうか。友である皮肉屋にも心があって、その存在が好きだった。
そして映画の中の多大な分量で描写される、自分の体をどこまでも自分のものとするベラの姿に色濃いフェミニズム要素を感じる。
「良識ある社会‥!」と額を打つくだりで爆笑した
この非情なる世の中に自分を生み出した父を赦した後で最後結局マッドサイエンティストになるんかい!!のラスト。元夫の体にヤギの脳を入れてにこにこしてるのは殺したつもりが無いからとも読め、手術痕の位置が違うことから脳ぜんぶじゃなくて半分だけとか入れ替えた、とか‥?だから半分は生きてるよ☺️みたいな? やっぱりマッドサイエンティストやんけ!!
自分の体は自分の好きにするけれど、他者の体に良いようにメスを入れて弄ぶのはOKなのか大丈夫か、という疑問は残る、そんな父のことをやっぱり愛していて否定しないことを選んだから、ということなのだろうか。
自分で道を切り開いて生身で世界を見て成長し、家に戻ったけれど心優しいただの医者にはならなかったどころか似たような実験をしている、それは自分の存在(と自分を創った父とを)を心の底から肯定できていることになるのかもしれない。
そしてこんなに読めないエンドクレジットも無い(背景の美術が良過ぎる)。

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