satomi

哀れなるものたちのsatomiのネタバレレビュー・内容・結末

哀れなるものたち(2023年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

何を思おうかな。





少しわかった気がする。なぜみんながそんなにも絶賛していることに共感、理解できないのか。

ヒロインになりたいとか、そういうわけじゃなくて。ベラ側なんだなと思った。
ベラの行動に「嘘?!」って驚く事はなかった。だって、どこかで共感していたし、私の中で共感が過半数を超えなくても「ベラにはベラの論理があるんだもんね」って。
多分私にはいわゆる「倫理観」が足りてなくて、人に引かれたり、一線を引かれて「すごいね」と言われたりした記憶がまあまあある。全くもって自慢じゃない。だってその分、分かり合えないことが多いから。言い方を間違えることも多々ある。(教えて、倫理の馨先生…)

久しぶりに人を怒らせてしまって。
だけど、その原因が怒りにつながる思考が理解できなくて、火に油を注いでしまいそうになった帰り道に反省しつつも、「学んでるなぁ」とどっかで俯瞰して振り返った。


そういうことだったのか(?)!となったのは、娼婦館の裏で泣き喚くダンカンを思い出したとき、元カレに言われた「破滅だ…。あなたを好きでいると、僕は破滅する」というセリフが重なった。

暑さで死んでいった赤ちゃんを見て、自分に何ができるのかわからなくなって泣いたベラだからこそ、私もその気持ちを辿ったことがあって答えが未だ出せないからこそ、私はベラにその答えの一つを教えて欲しかった。カクテル片手に医学書を読むのではなく…

あの熱帯の島、上の階級と地上の階段が途中で崩れていて、「繋がっていないけれど、見ることはできる」っていう舞台セットがすごく印象的。

今はひとまずここまで…





あー、見失わないために見返すっていうのもありだな。なるほど。

人の記憶や賞としての記録に残ったりする作品って、観終わった後も何かを考えさせられるきっかけや時間をくれるんだろうか。だから、「良い作品」と呼ばれるのかな。だとしたら、たしかに…。


マダムとハリー、大好き。


「哀れなるもの」は一体だれなんだろうか。
もしかしたら、『POOR "THINGS"』だから、この世界自体がもう哀れなのか…
だとしたら、もう私が見終わった帰り道が荒んで見えたように絶望に拍車がかかってしまうなぁ。

「新しい!」「痛快!」と評価されるほど、この感覚は"異"なのね、なるほどね。(まったく悪い意味でも皮肉でもない)ってなる。
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