KATO

哀れなるものたちのKATOのレビュー・感想・評価

哀れなるものたち(2023年製作の映画)
4.0
面白かった!映像が楽しすぎて、最初から最後までわくわくした。そして衣装が本当にかわいい。どんなときでもベラのまとっているものが素敵で目の保養だった。

ヨルゴス・ランティモスだしな……!と覚悟して臨んだけど、いうほど今回は特融の異様さはなかったような……
途中からは基本はコメディテイストなんだ!と思って、思う存分笑い転げていた。最高に面白すぎる。

ベラの純粋な目から見た世界は、悲惨でどうしようもないことはあるし、もっと知りたくなるような楽しいこともたくさん。分からないからいいや……じゃなく、分かったら楽しくなるかも!という好奇心は大事だよなと思うし、それが搾取されないことにもつながるんだよなと。
あと、自分のものになってくれと喚く男の鬱陶しさ。いい人のイメージが強いマーク・ラファロが……!?と思ったけど、情けなさと小物感がハマっていて憎めなくて最高だった。何回か、うるせぇよとどつき倒したくなったけど、ベラが思い切りやってくれたのでスッキリ。
学び続けようとする気持ちを摘もうとするなんて、男女関係なくロクなもんじゃないから早めに見切りをつけたほうがいい。

船で出会ったおばあさまがとてもチャーミングで最高。オールドミス(今は言わんのか)なのかしら……言い回しが面白いのは、さすがイギリスだよね。

男も女も関係なく、誰かを誰かが縛っていい理由もない。自分のためになにかをしてほしいは傲慢がすぎる。誰もが自分のために、自分のどんなことも大切にしていける世界になるといいな。

父親のレクチャーシーン、『籠の中の乙女』を思い出して嫌な気分になりながらもめっちゃ笑ってしまった。今回はハッピーエンドで良かった!
権力振り回す男よりも、ヤギのほうが進歩的なのねぇ……。
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