ナオ

哀れなるものたちのナオのレビュー・感想・評価

哀れなるものたち(2023年製作の映画)
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面白かった...!全てが好き。
これもきっと御伽話なんだけど、こんなにも変なのにこんなにも現実に通ずる感覚を、あんな美術と衣装と演技で表現され尽くしてることに感服。普段は映画見た後に色んな人の感想を読むのが好きなのだけど、これは珍しく闇雲に他人の感想や考えを自分に取り入れずに自分が感じたことだけを大事にしたいと思った。原作本も買ったので読む。

ロブスターと聖なる鹿殺しを見た時はランティモス監督初心者過ぎて、御伽話ということを理解出来ずに「なにがどうなってそうなる???」が頭の中を占めてしまって純粋に楽しめなかったんだけど、その2作があったからこそそれはナンセンスなんだと理解して、引っかかるところに囚われずに今回は純粋に楽しめた気がする。あんなに自由にしてて一回も妊娠しないのなんで?痛くて張り倒したい時くらいあるよね?夢すぎない?みたいなことは御伽話なんだから起こらないよね。それが良いか悪いかは別として。最近はそういう「おはなしでは省かれてきた部分」をちゃんと描いてくれている映画が好きだったし評価もされてきたと思うけど、なぜかこれは御伽話だからいいんだと思えた。予習した自分に感謝。でも今作は明らかな御伽話感が視覚的に明確に示されてるから、ランティモス監督を知らなくてもスッと入れた気もする。個人的に反芻したいことや考えたいことは色々あるけど、あれはなんで?みんなどう思った?と気になる事はおかげでほぼなかった。この内容でそう思える作品って凄いな...
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