辛くて固まってしまうシーンはもちろんあるけれど、映画としてとても面白かったと思う。ただその「面白い」と感じた構造はノーラン印の時系列シャッフルによるミステリー要素なのだけど、それは本質ではないよね...？そこを面白いと思わされた感じが不服というか、本質を逸らされてる気がしてなんか嫌だったというのが本音ではある。途中までは原爆の恐ろしさとオッペンハイマーという人物を淡々と描いた映画だと思ってたけど、後半急に嫉妬ミステリーになってどういう気持ちになっていいのかわからなかった...。あとノーラン映画で初めてIMAXレーザーじゃなくても良かったかもと思った。なんでだろう？
広島と長崎を直接的に描かなかったことに賛否あると見たけど、私はこれで正解だったと思った。オッペンハイマーは現地の惨状を自分で見ていないから。記録映画や伝聞で見聞きしたことや自分の知識から惨状を想像するシーンは、彼の「自分はなにをしてしまったんだろう」という苦悩がよくわかった。
だけど、去年見たマルジャン・サトラピの「キュリー夫人」で描かれた「善かれと思って生み出した技術が思わぬことに使われた苦悩」とは全くの別物。立場もなにもかも違うから当たり前なんだけど、どうしてもマリーのことを思ってしまった。あれはいい映画だったな。
ドキュメンタリーを見てから挑んだんだけど、ロバート・ダウニー・Jrが誰なのか予習しなかったのは痛恨のミス。最後まで誰なんだかよくわからなかった...逆恨み嫉妬おじさんということだけ理解した。
あとこれは全くの個人的な感想なんだけどもオッピー不倫し過ぎっていうのが1番印象に残ってしまったよ。全部不倫だし死人まで出てる...どういう心理だったのかはもうわからない
