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哀れなるものたちのmuuumのレビュー・感想・評価

哀れなるものたち(2023年製作の映画)
4.0
すごいな、すごいですね
このレベルの作品がシネコンで観られる
ということに衝撃を受けます

女性のための映画であるし、
女性が、いかに自分で学び
考え決断して生きるか、
ということを体現した
冒険物語だと思いました

ベラの考え方や生き方は、
SNSや世の中の声が
すぐに聞こえる今の時代には
到底できないだろうし、
子どもが成長していく過程の
急激な脳の成長が学校でなく、
もっと自由な社会で
起こったら…ということを
想定した世界なんだと思います

一方で、自分で立ち上がり、
自分で生きようとする女性を
良きとしない男性の存在には
毎回足を引っ張られる
まともな男性はゴッドとその
助手の婚約者しかいないのかな、と

最後、ゴッドが亡くなる時、
彼の脳をクソ夫に移植するかな、、
と思ったらしなかった…
そこには、ベラしか分かりえない
本音があるのかもしれない

ベラの成長を助けた、
老女と黒人男性の存在は大きかったと思う

エマストーンの存在感と目力には
圧倒されるし、
ウィリアムデフォーは本当に最高で
適役でした

過去のような未来のような、そして
少しホラーな世界観、ミステリアスな演出、不協和音が鳴りひびく音楽、
…しばらく経って気づいたのですが
これは今の社会そのものではないか

テーマ性を失わずに
映画という総合芸術を存分に堪能できる
素晴らしい作品でした

性描写の多さは、男性目線ならでは
なのかと思いますが、
それを抜きにしても素晴らしい
作品だと思いました
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