hajime363

哀れなるものたちのhajime363のレビュー・感想・評価

哀れなるものたち(2023年製作の映画)
5.0
いやー、これは究極完全態・グレート・ランティモス。※城之内は死んで、ヤギの脳みそを移植されました。

ブタ鶏がかわいいから★5だよ(^q^)

ゴシックな雰囲気も大好物だし、衣装もカメラも万々歳って感じですね〜
原作が教養小説と訳されるような成長物語らしいので、メッセージが直接的で分かりやすい=説教臭いのが苦手な人はいるかも。

ただ、自分は“皮肉な冷笑家”止まりなので、アレクサンドリアで普通に泣きました。真面目に生きてなくてごめんなさい。
そこからの展開の上手さが、この映画の醍醐味のような気がしますね。
セクシャリティの確立について、「ロブスター」「女王陛下のお気に入り」の延長線上にある監督ならではの作家性と、今描くべき物語としての側面が色濃く感じられました。
(原作では娼館シーンが少なくて、船で政治を語り合うシーンが多いみたいです)

あとは、最初から一貫して人間と動物、あるいは日曜の昼の肉料理の違いを問題提起してくるので、前提となる価値観=映画の土台みたいなものがしっかりと感じられたのも、しみじみとすごいな〜と思いました。ハンパねぇ。

それでいて、バカみたいなルックしてるのに終盤はなんかまともな振りするからまた泣いちゃうよね(マックスウェルとベラが2人で歩くところ)。
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