hajime363

ジョン・ウィック:コンセクエンスのhajime363のレビュー・感想・評価

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さすがにシリーズ4作目ともなるとね、
もうマンネリなんじゃないの?みたいな、ちょっと斜に構えた気持ちで臨んじゃいますよね〜

……ご安心ください!
しっかりアップデートしてます!キレッキレです!

ん?スタイリッシュな殺陣アクション?
何の話ですか?びちょびちょスーツの話ですよ、まったく。

まず、前提となる認識を揃えることにしましょう。
あなたはスーツを着ているとします。
雨が降ってきたらどうしますか?
傘をさしますよね。傘を持ってなければ、屋根のあるところを探すことでしょう。

これはなにを意味するか?
スーツを着ていたら濡れたくない、ということです。
(別に僕は暇ではないんですよ。むしろ仕事が立て込んでるから現実逃避してるんです。)

では、本作の濡れ場の話に参りましょう。今回はなんと室内でびちょ濡れになります。
濡れスーツの定番といえば“雨”ですよね、それは登場人物の心情を表す視覚効果として用いられることが多く、閉塞感、哀しみ、絶望=涙のメタファーのような使い方が一般的だからかと思います。

さて、本作ではどうか?
先ほど室内と書きましたが、舞台は多くの若者たちで賑わうクラブ。2Fのフロアから噴水のように水が湧き出ており、1Fへと流れ落ちる滝のような構造で、さながら水のカーテンをつくっています。

「アクション映画の基本は高低差」

というペラペラな格言を思い付いたので、もったいないからメモしておきますね。

高低差があれば落ちる。……そう、水のように。
2Fで乱闘して流れでガラス割って1Fにダイブ。はい、びちょ濡れ。おしゃれな水のカーテンに“打たれながら”宿敵をボコります。

今回は滝のように“打たれながら”という点がポイントです。
もはや、“濡れそぼり”“したたり”を超えて、“打たれる”。びちょびちょの向こう側です。

つまり、これまでに描いてきた「びちょびちょスーツとは何か?」という本質的な問題提起をシリーズ4作目にして、投げかけて来たわけです。

「本当は濡れたくないけど、それ以上に大事なことがあるから雨が降っていても気にしない」というのが、びちょびちょスーツの基本とするなら、今回は枠組みを超えています。
これは、因果により平穏を失ったキアヌは歩みを止めることを許されず、自然の法則(引力)により降り注ぐ水と融合し、歯止めを失った暴力として存在することを意味します。絶対にそうなんで、反論とかはいいです。

↑の後はだいたいスーツが乾いてるんで、特筆することはないです。

たぶん、後半はスーツが生乾きだったんでしょうね。
殺し合いの最中なのに、しょっちゅうスーツを顔に近付けて臭いをチェックしてました。たぶん、あれだけ動いてたら脇汗とかもあったんじゃないかな?それも気になってたみたい。

なので、おそらく次回作では、生乾きスーツという新しいジャンルで8×4(エイトフォー)を使った斬新な殺陣が観られると思います!!楽しみ!!

(最後の決闘はマジでよかった)
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