あんず

哀れなるものたちのあんずのレビュー・感想・評価

哀れなるものたち(2023年製作の映画)
3.0
胎児の脳を移植された女性ベラの成長を描いた映画で、エマ・ストーンの演技に圧倒されました。

精神の幼さと既に大人である体のアンバランスさ、魅力的に感じるか異端に感じるかは受け取りかた次第でしょうか。

魚眼レンズを通して見る登場人物は、周りとの関係を遮断しているかに見え、実験の傍観者として淡々と映画を観ていたような気がします。

本能のままのベラが知識を得ていく様子をモノクロからカラーへの変換で描き出し、ぎこちない歩き方からしっかりとした足取りへ変わりゆく姿は、自立した大人へと成長を遂げたことを意味していたのだと思います。

ダンスシーンは、印象的だと思う反面、ぎこちない動きや振り回される伸び放題の黒髪が貞子に見えてしまいました。

ランティモス監督が合わないのか、エマ・ストーンが苦手なのか分からないけれど、独特な世界観に入り込めず大絶賛することができなくて残念。

エンドロールも素敵なんだけど「女王陛下のお気に入り」同様やっぱり文字が読みづらかったです。
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