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哀れなるものたちのののレビュー・感想・評価

哀れなるものたち(2023年製作の映画)
4.6
2024-4

💙🧙🏼‍♂️🫧🧠🩸🥒💰🐏

これを見た人と見ていない人では
世界の見え方がまるっきり違う
とまで思わされる映画でした
今年始まって2ヶ月ちょいですが
確実にベストナイン入り、衝撃作

鑑賞後の悶々とした気持ちは
ミッドサマー以来ですわ
映像の綺麗さが不穏さを助長させるというか
目を覆わないから事態に直面させられる

エマストーーーーーーーーーン!!!
彼女だからこそ成り立った映画
彼女の美貌込みで織りなすストーリー
視覚はずっと美しい、背景含めて

人間の成長過程をこんなにもありありと
1本の映画だけで体感できるのは
なかなか無いでしょう
とにかくエマストーンの演技力に脱帽

あんな綺麗なエンドロール
初めて見たしたぶんこの先ない(たぶん)









この2時間20分を通して
人ひとりの緻密な成長を段階的に見れました

①知覚👁️
世界の始まり
自分の目で見て、口で味わって
手で触って、世界の欠片を認識する

②自覚👩🏻
自分を認知する
世界よりも後に自分がわかるのね
大学の時の講義内容を少し思い出す

③欲望🦵🏻
ベッドに横たわる脚だけを写したあの時間
画が変わらず結構長かったあのシーン
戸惑いましたがこの後の伏線と考えると
大きな印象を残したのは大成功よね

(以下項目は欲望の細分化かも)

④芸術🎨
歌を聞いて涙するシーン
私もベラと同じように初めての芸術に触れた
そんなような気がして泣きそうになりました
色鮮やかな街並みとベラの服装
そしてあの空が忘れられない
芸術を味わうって人間としての贅沢

⑤絆👨‍👨‍👧
そして観点は他人へ
手紙を書き始めるようになったのがこの辺?
目に見えないものを大切にし始める
欲望が抽象的なものになる

⑥思考✏️
さらに抽象度を増していく
次元も現在だけでなく過去や未来を考える
対象が周りの人だけではなく「人類」へ
生き方、哲学、高度な学問に興味を持つ

⑦感情💓
意外と遅いのね〜って思いました
人によるかもしれないけど
自分と他人を認知して、教養を身につけて
初めて感情を持つ
乾燥した土地で死んでいく子供たちを見て
泣くベラを見て恐怖で涙出た
怖くて泣くって何年ぶりですか
それから
欲望と感情の違いってなんやろうか…
あれかな他人の欲望もわかるようになると
自分の欲望を正面に出すだけではなくなり
それが感情として滲み出てくるんかな
欲望は自分本位でしかないから
感情としてしか他人の欲望を体現できない?
ちょっとわからんなってきたね

⑧愛❤️
そして感情の究極体が愛、
かなと思いました
このシーンが特に!っていうのは思い出せん
でももうこの辺りのベラは
表情も言葉遣いも豊かで
自分を顧みない行動をしていくよね
他人のために動けるのが愛なのか…?

⑨幸せ📚
最後に人間として最高峰の欲望
どこかの解説で読んだのは
愛しい人と片手に本を持ったベラは
幸せを掴んだ、のようなことで。
この段階まで到達できるのは
現存の人間でも少ないと思うけど
ベラはそこまでも超えてしまった



以下印象的なフレーズたち

『人間は獣として生きて獣として死ぬ。
哲学はその獣からの逃避。』

『人間は絶望を生きる。現実主義が残る。』
『あなたは世の痛みに耐えられない少年。』



いやーにしてもハルクよ、笑
いやハルクではないけどマークラファロは
自分の中でハルク始まりだったもので

あんなエロハルク!笑
少し笑っちゃうけど
そのキャスティングの塩梅が良かったのかね
「夢かどうかわからんからつねろうか」の
衝撃よ。まじで。

ベラと対照的な人間臭さが際立ってたね



自由意志がキーワードだったような映画
それを持つか否かで
人間かどうかが分かれるのかしらね

だとしたらあの脳みそ羊の方は
もう人間じゃないのかもね

あの羊の裏話が原作の本では
書かれているらしい…とのこと
見つけたら読みたいね
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