毒は健在なのに見易くなった印象。美しい痴人を通して世界を再発見するような大枠だが、親の責任を子が取る、監禁に近い教育と外への憧れ、ダンスシーン、手に入れたい物への執着と豹変、ルールと反発など過去作の要素もふんだんに見られ、個人的には集大成。飛び降りからのタイトル、自分を発見してタイトルと自己発見系ながら、見つけた答えは何なのかを考えると「色々見て回ったけどここが落ち着く」というプチ旅行映画のようでもあり、もっとドでかい結論を待っていた身としては少し惜しい。ただ、何が起こるかわからない道中やとにかく多いセックスシーンなど変な鋭牙でもあり、それでいて、絵が美しいため、最後まで楽しい。もしかしたら、親（親なるものや過去）など、自分の意志では選べないことに対しての抵抗と和解をテーマにしている監督なのか。ただ、個人的にロブスターまでが大好きなため、脚本を見て納得。
