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イニシェリン島の精霊のtyapiokaのレビュー・感想・評価

イニシェリン島の精霊(2022年製作の映画)
3.7
かなり退屈。しかし、だからこそ島の単調さが浮き彫りになる。退屈は人を殺す。人と縁を切ることはそんなに悪いことだろうか。一方で退屈も悪だろうか。噂話はどうだろう。名を残したいという思いはどうだろう。答えのでなさを内戦と諍いに託しているような閉塞感。動物への親切心だけ二人に残っているのは人間に悪意を向けないからか。指をぶん投げたり、火をつけたり派手な部分もあるが基本的には退屈すぎるくらい美しい景色が邪悪な作品。諍いの謎、本当に指を切るのか、二つの死の暗示と興味を持続させるポイントが上手い。残り一つの死は訪れるのか、ロバで良いのか。一見すると切り離されたような接続の悪いところに度々、警官や神父など同性愛要素が出てきて、懺悔の場所では強く否定されているが、この時代に撮られた映画だとそういう話なのかとも捉えられるが普遍を楽しみたいのであまり考えないこととするし、戦争の寓話という説も私にとっては遠いので考えない。
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