marie

哀れなるものたちのmarieのネタバレレビュー・内容・結末

哀れなるものたち(2023年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

いろんな気持ちになる作品。
まず最初に、無知は恐ろしいという気持ちになりました。もし歴史を知っていれば、倫理観を知っていればなど、教養の重要さを感じました。特に、ベラが貧困の様子を見て、涙あふれるシーンが印象的。世界平和などが実現できないのは、成長していくなかでだんだん気付いていくもの。不幸な想いをしている人(そう見えているだけかもしれない)がいることで、誰かの幸せが成り立つのが社会のどうしようもないところ。それを知った時の落胆さの描き方、ベラの演技が素晴らしかったです。

そして、だんだん話が進むにつれ、本を読み、知識を得るベラの姿が素敵でした。船の上で、本を読んでいると、本を捨てられてしまうシーンが印象的。女性に知識、教養が身につくと、人の態度が変わってしまう。それは、人は置かれた環境によって変化するものと類似しているように感じました。と同時に、ベラに新たな本を差し出す女性に私もなりたいと思いました。

終盤にかけて、ゴッドのもとに戻り、ゴッドの死を見届けるまでのベラの様子は、血の繋がっていない「家族」の形をみた気持ちになりました。

全体を通して、音楽、環境音、映像の雰囲気、衣装、全ての演出がキュートで素敵でした。
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