龍海

哀れなるものたちの龍海のレビュー・感想・評価

哀れなるものたち(2023年製作の映画)
4.5
なるべく情報をなくして見た。それが良かった。
「ロブスター」の監督の人だったんですね。納得の世界観。
エッジが尖りまくったこの映画は、醜さと美しさしかなかった。
人生とはなにか。エマ・ストーン演じるベラが深みと重さをそれを我々に訴えかけてくる。
ミュージカルとかに転がりそうな話を不協和音と心地よさのギリギリの境界線のBGMで平行に保ち、先の展開を読ませないストーリーの面白さもとても良い。
エマ・ストーンの好演ももちろん、ウィレム・デフォー、マーク・ラファロの脇を固める俳優も素晴らしい。
最後に若干ネタバレになる加筆。








以前、NHKの番組「フランケンシュタインの誘惑」で人類の医療における「蘇生」にピックアップしていたが、まさに医者とは好奇心と挑戦は紙一重で、この映画は時代背景をわざとぼかすことでその思考を現代に蘇らせるようなダブルミーニングも合わせもっているんだろうなと深読みしています。
とにかく、ウィレム・デフォーの演技が鬼気迫るものを感じる。これがスパイダーマンで中途半端な科学者を演じていた人?演技力の振れ幅が恐ろしい。
龍海

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