40年前にイタリアで起きた事件を映画化した本作は、バイク同士の衝突事故を切っ掛けに、育った環境も性格も全く異なる16歳のニーノと17歳のジャンニは運命的な出会いをし、掛け替えのない時間を過ごす2人だったが、或る日、眩し過ぎる恋が突然の終わりを迎えるまでを繊細に描く。
本作では、オーディションで選ばれた新星ガブリエーレ・ピッツーロとサムエーレ・セグレートが主人公ニーノとジャンニを夫々演じ、「はじまりは5つ星ホテルから」のファブリツィア・サッキが共演し、俳優のジュゼッペ・フィオレッロが長編初メガホンをとり、イタリア最古の映画賞であるナストロ・ダルジェント賞で新人監督賞を受賞している。
撮影は実際に初夏のシチリア島で行われていて、青い空と海、バイクで走り抜ける新緑のトンネル、神秘的な泉、歴史が刻み込まれた街並みと、2人の美しいラブストーリーを彩っていく。
映画では、夜空に大輪を咲かす花火が度々登場するが、2人の恋も恰も花火のように一瞬の輝きと共に消えていったような気がする。
