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A Well for the Thirsty(英題)
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『A Well for the Thirsty(英題)』に投稿された感想・評価

[ウクライナ、生命の泉と記憶の行脚] 80点

ユーリー・イリエンコはウクライナで最も有名な映画監督だったが、映画内に現れるシンボリズムが反ソ連的として一般上映は尽く禁止されてきた。本作品は、彼が撮影監督として参加したセルゲイ・パラジャーノフ『火の馬』と同年に公開されて上映禁止となった長編デビュー作である。まるで『ニーチェの馬』のように、文明から隔絶された砂漠の中に、一軒だけポツンと建つ家に老人が住んでいる。彼の家の前には井戸があり、様々な人が水をめがけて集まってくる。それは現実なのか幻想なのか老人の記憶なのか判然としない。そして、水を介して水を必要とする様々な出来事(家作り、畑作、壺作り)が強烈なイメージの反復として連なっていく。老人は壁に飾ってある写真を裏返し、自分の棺桶を作り始めるのだが、走馬灯のような脈絡のない映像と相まって全体的に死のイメージで氾濫している。その無機質さは『The Stone Wedding』にも似ていて、ここに戦争や戦没者のイメージが重なることで、唯一無二の世界観が完成している。特に終盤の戦闘機に巻き上げられるテーブルクロスのショットと、井戸を横にして井戸内部を歩くショットが白眉。ウクライナのタルコフスキーと呼ばれている(要出典)のも納得の映像美。
とある井戸と老人にまつわる今昔話?程度のことだけなんとなくわかるくらい内容が判然としないものの、時折白飛びもして幻想的にも見える白黒の超自然的光景から目を離せず身を委ねることしかできない70分間には圧倒されっぱなしで凄いという感情を抱くばかり。

ウクライナのオデーサのスタジオが公式にYouTubeにアップロードしているが、こんな知られざる傑作を無料で拝めることに感謝せざるを得ない。
「A Well for the Thirsty」は、白飛びしたモノクロのコントラストが印象的な白昼夢の映像詩であり、井戸というモチーフを通じてウクライナの生命と喪失を象徴的に描いている。

物語は極めて抽象的で、陶芸家の老人の断片的な記憶を軸に戦争の影や痩せた土地、風に棚びくスカーフ、共同体の喪失といったイメージが浮かび上がる。その映像世界は民族的な要素に満ちており、セルゲイ・パラジャーノフら後のウクライナ・ニューウェーブに強い影響を与え礎となった作品。

家族の写真を裏返す仕草は、歴史の忘却そのものを象徴し、唯一残された写真は兵士となった息子でありウクライナが抱える戦争の傷跡を示している。

物語は妊婦が産気づく場面で幕を閉じる。
そこには、「死と再生」を繰り返してきたウクライナの歴史が投影されているように思える。

美しく寂寥感に包まれたこの作品は、チェルカースィ州スクリザリフカ村の望郷とともに、消えゆくものと新たに生まれるものの狭間に立ち尽くしている。