静謐な水底にいるような世界。現実ではない夢の中であっても、好きなものやひとや世界に生きる。それも「リアル」。最後に金魚が水槽から運び出されて、自然の中の川に放たれたのには気持ちが軽くなった。「いまここ」、だけが世界のすべてではない。いつか、どこか、そして、きっと。それを純粋に信じること。
きっと本作も多くの人々の応援歌になるだろう。
武田かりん監督のzoom上映会後のイベントを拝見したが、めちゃくちゃ誠実さが伝わる話ぶりで、断片的ではあるけれどおおいに作品の位相の理解になった。次作も期待したい。(誠実さも大事だが、そこにいささかの遊び心があったらうれしい。喜怒哀楽すべてが生きることだから)