天豆てんまめ

アポカリプトの天豆てんまめのレビュー・感想・評価

アポカリプト(2006年製作の映画)
2.9
アンドリュー・ガーフィールド主演の「Hacksaw Ridge」が米国で評価を受けていて、アカデミー賞にノミネートされるかも、と言われている監督メル・ギブソンの作品だが、「ブレイブハート」でアカデミー賞を受賞し、「パッション」で国内外をセンセーショナルに巻き込んだ後、このマヤ文明が崩壊する劇場を凄まじい迫力で描いた「アポカリプト」を映画化。

この人の容赦なさ、何なんだろう、メル・ギブソン。
劇場で観た時、全く感情移入できない時代観の中、追う者と追われるもののスリル、躍動する肉体、人間の極限性をこれでもかと描く、その迫力に圧倒されたのだが、なんで、この題材?っていう疑問が拭えなかった。

主人公がジャングルを逃げ回るのだが、その筋肉の動き、鍛えられた肉体は人間というより、なんか動物に近い。もう自然と本能の力をただひたすらに浴びる映画。古代マヤ帝国に関心が薄いのだが、当時のピラミッドみたいな建造物や衣装、髪型も、リアルに迫ってくるし、何しろ、全編でマヤ語を使うこだわりって徹底しているけど、私の感情移入度は更に遠ざかった記憶が 笑

数々の失言や横暴な態度で、半ば、ハリウッドを追われ、不遇な時期が長いメル・ギブソンだが、監督としての力量は間違いなく本物だと思う。

私には合わなかったが、自分の中に潜む本能が呼び覚まされ、ウオーーーーってなる方もいるんじゃないかと思う。