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愛する時のmasahitotenmaのレビュー・感想・評価

愛する時(2023年製作の映画)
3.5
ドイツ人将校との間に生まれた子を育てる女性と裕福なインテリア学生との恋の行方を描いた恋愛ドラマ。
同性愛、3P(男2+女1 )の赤裸々なシーンがあるのでお子さまはご注意。
監督はカテル・キレヴェレ。
原題:Le temps d'aimer
(2023、123分)

1947年、ノルマンディーの海岸。
ウェートレスで小さな息子がいるマドレーヌは、裕福なインテリ学生フランソワに出会い、運命のように一目で惹かれ合い結婚する。
やがて、マドレーヌが隠している過去(子どもの父親がドイツ人将校)とフランソワの秘密(同性愛嗜好)が2人の人生に陰を落としていく…。

~登場人物~
・マドレーヌ(アナイス・ドゥムースティエ):パリ解放時、ドイツ人将校と寝た女として髪を刈られ、家から追い出される。父親がドイツ人であることを(子どもにも)隠して生きている。
・フランソワ(ヴァンサン・ラコスト):裕福な工場主の次男。考古学を専攻するインテリ。ポリオの後遺症を脚に抱え、兵役は免除。同性愛(燃え上がる熱情)を抑えきれない。
・マドレーヌの息子ダニエル:父親は死んだとして名前も知らされず、孤独を抱えて育つ。
・マドレーヌとフランソワの娘ジャンヌ
・黒人のアメリカ兵ジミー:マドレーヌと恋仲になる。

"ツヴァイクの詩"

「お願いしていい?

ママに愛して欲しい」

「パパのお墓は?」

「ダンス・ホールで働きたい」

「同性愛は犯罪ですぞ。しかも、相手は未成年だ」

「子どもには内緒にしてほしい」

未成年への同性愛行為は犯罪であり、バンサン・ラコストは悲劇を運命付けられる。
マドレーヌとフランソワの恋愛模様と並行して、母マドレーヌと息子の冷めた関係が子どもの視点で描かれ、ラストに繋がっていく。

フランス映画祭横浜で鑑賞。
~監督のビデオレターから~
「愛を語るフランス人お得意の愛の映画です…
最初は…自分たちを望まない社会から身を守るために愛しあう。寛容と差異の映画でもあります。伝わるといいですけどね」
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