ヒノモト

埋葬のヒノモトのレビュー・感想・評価

埋葬(2022年製作の映画)
3.6
国立映画アーカイブにて開催中の「EUフィルムデーズ」より、リトアニアのイグナリナ原子力発電所の廃炉化の恒久な時間の流れを捉えたアートドキュメンタリー作品。

リトアニアのEU加盟のために、(原発事故を起こした)チェルノブイリ発電所と同型の発電所の利用を停止する必要があり、廃炉化していく経緯だったそうですが、原子炉などの放射性物質による汚染が自然や生物の影響を受けなくなるまで、数十万年以上の時間がかかると言われています。

アート色の強い作品で、前述のようなバックグラウンドの説明は最小限に、原子力発電の原料となるウランが鉱物として構成される成り立ちと廃炉後の自然と同化するまでの長き時間を旅するような、ゆったりとした映画でした。

原子力発電所の死について「埋葬」というタイトルにしたのは、的確で素敵だと思いました。

映画内で登場する放射能廃棄物の最終処分場については、他の映画「100000万年後の安全」を観ると、より深く理解できます。

EUフィルムデーズ
https://eufilmdays.jp
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