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クエンティン・タランティーノ 映画に愛された男のkmtnのレビュー・感想・評価

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僕はタランティーノのことを尊敬しているし、彼は彼なりにワインスタインの件の贖罪をしているとは思っているが、それでも被害者の傷が完全になくなることはないし、反省の意を示しているからと言って無条件に許されるわけでもない(勿論、永遠に謝罪を続けろと言うつもりもないが)。


そういう意味では言い訳がましい作品だった。
確かにタランティーノ映画は女性が強い作品で、彼が女性のアクターに対してのリスペクトがとてもある人なのは分かっているが、彼の作品はそれだけじゃない。
もっとマニアックで気色の悪い(褒めてる)オタク知識の詰め合わせでもある。
そう言った部分も当然説明はされているけれど、どうもワインスタイン事件の後のワンハリ公開前の世間への目配せ的な、そちらに寄った編集を感じてしまった。


ワンハリのコンセプトを考えると、僕はもっとタランティーノは堂々としていいと思う。
最初に書いたように、彼が無条件に許されるわけではないが、誠実な映画を撮り続けることこそが、彼の唯一の道だと思う。
だからこの作品はかなり蛇足だ。
彼は彼なりの心のある道をいくべき。
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