シャチ状球体

ファイブ・ナイツ・アット・フレディーズのシャチ状球体のレビュー・感想・評価

2.7
原作ゲームと異なり、主人公が夜勤の仕事をせざるを得ない背景が最初に説明されるので導入が自然なのが本作の唯一良い点。
主人公一人だと間が持たないので、親権の話や他の登場人物達が尺稼ぎのために挟まれてます。

オープニングでいきなりショックシーンを見せられるので緊張感に欠けるとか、最初に人形が動き出すのが主人公とは関係ない場所、しかも午前6時代という怖さとは程遠い時間帯なのが一々没入感を削いでくれる。

あと、超能力的な描写や全然クローズド・サークルとは関係のない展開は原作の良さを殺している気がする。
真相を説明するためだけにいるとしか思えないヴァネッサ、最初は夢か幻覚か悪役のどれかだろうと予想していたけど、単に演出を練らずに台詞で世界観を説明するための虚無キャラだった。

やることなすこと、全てが空回りしていて何だか気まずい気分になってくる……。
エンディングも、本当にこれでいいの?って感じ。正直、ニコラス・ケイジが出てた"偽物"(『ウィリーズ・ワンダーランド』)の方がよっぽどマシ。

続編の制作も決まったようで、幽霊より怖いのは人間…より怖いのは資本主義だということを教えてくれる映画だった。
シャチ状球体

シャチ状球体