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ザ・クリエイター/創造者のHULのネタバレレビュー・内容・結末

ザ・クリエイター/創造者(2023年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

冒頭、AIが進化していくさまの報道コラージュで一気に心をつかまれ、続くシーンで妻との幸福な時間を過ごす主人公→じつはサイボーグ、じつは潜入捜査官だった、その身分が妻にバレてピンチ、おなかの子供もろとも死なせてしまうという畳みかけが一気に完了し、コンパクトかつ強力な物語のセットアップを見せつけられ、これは傑作の匂いとワクワクしていた。
そして5年後、失くしたはずの妻が実はテロリストとして(?)、生き延びていたという映像を見て真相を知るために再び最前線へ赴いていく。
まったく無理がない、とてもよくわかる。話の求心力もひきつづき強い。
アルフィーと遭遇して事態が一変してからは、上官のおばさんが急にすごいスキルを発揮して敵地の警察すらを出し抜いて追ってくるのも面白い。

が、話が進むにつれて「今これってどういう状況?」というシーンが増えていく。
特に中盤過ぎてからの展開は盛り上がりはするもののよくわからないことも多い。ノマドがアルフィーを処理しないのはなぜ? 主人公が信頼されていないとできないことって何だった? アルフィーの救い方もずさん。なぜスタンバイになったアルフィーが処理されないと確信できていた?
ノマドに乗り込んだときにはどんな作戦があったのか、現場でどういう変更があったのか、アルフィーはお母さんの姿のロボットに何をさせる気だったのか、結構いろいろ出てきてしまう。
あとはそもそも、お母さんはなぜアルフィーを作ったのかがぼんやりしてしまっていたように思う。どこかで説明を見逃してたかな。。
映画の作り手にやりたいシーンがあって、そのつなぎや補完がうまくいってないんだろうなとは思う。そのあたりをクリアしていれば傑作といえたはず。
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