みみずばれ

ザ・クリエイター/創造者のみみずばれのレビュー・感想・評価

ザ・クリエイター/創造者(2023年製作の映画)
4.2
細かい所まで作り込まれたSFの世界観に目が充実した。低予算だと聞いていたけど、本当か?と疑うほどどこを見ても楽しい。

ブレランのような近代都市とか、攻殻機動隊のようなシミュランツ工場とか、機械と共に暮らす村とか。言語の入り混じる雑多な国の姿とか。
主人公達の背景映像にこの社会の成り立ちを表示する手法のおかげで、設定が自然と頭に入って来る。
(シミュランツは人間が体をひな形として提供している、とか。【わたしを離さないで】みたいな事が起こるのかな?)

監督のデビュー作から大体見てるんだけど、大いなる存在に人間が虐げられる姿を美しく見せるのもよい。
大いなるものが襲ってくる予兆のざわめきとか。天変地異的な恐怖感の表現が本当に上手。
だけれどそれをジョン・マーティンの絵画のように見せてくれるのが眼福。
観客の第六感にまで訴える、芸術の造詣の深さがすごい。

スターウォーズが好きな監督だけあって、物語の流れも王道。1人の人間がヒーローになっていく姿がとてもよい。

地球規模の戦争という壮大な世界観を1話で収めるのはちょっと大変かな?って感じで物語はざっくりしてるんだけど、オリジナリティ溢れる設定が最後の最後の感動の立役者になっているので、とても良かった。
あのメモリーの使い方すごくいい。

それにしても息子ワシントンはSFに良い顔をしている。綺麗な目だね〜
ファイナルファンタジーみたいな映画だった

話に重きを置く人にはイマイチかもだけど、これは何回見ても目が楽しい作品だと思う。

壮大な一話完結は、ミッドナイトスペシャルの視聴感と似ていた。
一回で終わらせるには勿体無い設定。オムニバスの作品群にしたくなる世界。

ウィローでアマル・チャーダ=パテルが気に入っていたから、彼が出て来て大変嬉しかった。一瞬見れたメガネ姿がとても素敵だった
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