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さよなら ほやマンのmnmのレビュー・感想・評価

さよなら ほやマン(2023年製作の映画)
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この作品を劇場で鑑賞すること は心に決めていたので、あえて必要最低限の情報のみを耳に入れてやっと今日を迎えた。

監督の庄司さん、主演のMOROHAアフロ、そして試写ぶりの鑑賞に訪れていた作家の燃え殻さんが登壇したトークイベントで、そしてそのあとに購入したパンフレットで、自分がこの日この場所この時間を選び足を運んだことが、その結果必要なタイミングで必要なエネルギーを得て鼓動した心を確かに感じたことで、何よりも正しい選択だったことを知る。日々に忙殺されていた自分の心臓はまだ動いているかという確認作業だったように思う。

人生、瞬間、正しかったこともあれば正しくなかったこともあって、そんなことは当たり前で、「じゃあ、どうする?」を強く考えた作品だった。
背骨を抜いて、脳みそを失くして、自分の信念だけは全うしようと生きること、それは一見この現代社会においてある種何よりも楽な処世術であり賢い判断というようにも思えるけど、果たしてそれでいいんだっけ。目を瞑って見えないように蓋をしているその黒いモノの正体、過去もしくは未来への執着って、このままこの生活を続けていることで何か良い方向に転換することってあるんだっけ。って、なんかどうしようもなく刺さってしまった。トークイベントでの燃え殻さんの言葉を拝借するけれど、「何も無いよりはよかった」と思えるような昇華の仕方をすることって、生きていく上で何よりも大事な作業だと思った。

大海原
耳を劈くような静寂が痛くて、堪らなくて、うまく息ができなくて泣き出してしまいそうになった。
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