叡福寺清子

リアリティの叡福寺清子のレビュー・感想・評価

リアリティ(2023年製作の映画)
3.8
『15時17分、パリ行き』と双璧をなす硬度な再現ドラマ作品でした.こんばんわ三遊亭呼延灼です.
『パリ行き』は事件を解決に導いたご本人さん登場で,そりゃ硬ぇわなという作品.本作は,FBIが行ったリアリティさんへの任意聴取の音声データを,そのまま一切手を加えることなく再現したんです.もちろん,そのときのリアリティさんの表情まで再現したとは言いませんが,映画的演出が入る余地はほぼ皆無でございました.

困った事に,このただの再現ドラマがすこぶる面白い.全てを知った上で,当初良き隣人然としてリアリティさんに接触してきたFBI捜査官.映画やドラマで観られる高圧的な雰囲気は皆無で,世間話が続いているか思ったらいつの間にか追い詰められている.マジ怖いんですけどね,FBI.

かねてから私は米国はシステムの国と申しておりますが,本作においても,というか映画で描かれていた優れたシステムって現実だったのねと認識できた次第.こういう録音データがちゃんと残っていて,しかも録音を含めた関連資料が公開(一部黒塗り.何が書かれていたのかめっちゃ気になる!)される仕組み.すごいよなぁ.でも,ヒャッハーな米国人って信じられないくらいに阿呆なんですけどねっと.