ヌルハチ

ラブ&ポップのヌルハチのレビュー・感想・評価

ラブ&ポップ(1998年製作の映画)
4.0
ごく普通の中流家庭に育った女子高生のヒロミは、どことなく虚無感漂う青春の日々を送っている。仲の良い友達はダンサーになるという夢を追ったり、自力で購入したPCに熱中したり、大人の恋を経験しているのに、自分には何も無い……。そんな時、ヒロミは宝飾店でインペリアルトパーズの指輪に魅せられる。この指輪が欲しい! その目的を達成させるべく、ヒロミは忌まわしさを感じつつもテレクラで援助交際を始める。

庵野秀明監督の実写映画。90年代特有の陰鬱とした空気。カメラワークが独特で面白い。(画面がけっこう揺れるので時々酔いそうにはなる)
これといった山場もなく淡々と物語が進行していくが、ラストの女子高生たちが汚い渋谷川のど真ん中を並んで歩くシーンで一気に謎のカタルシスを感じる。この監督ならではの不思議な映画だと思う。
序盤のお説教おじさんに対して『正しいと思うがあなたには言われたくない』と思うシーンは、終盤の視聴者の心の声であろう。なぜおじさんは自分の行動を棚に上げて若者に説教をしてしまうのか?
女子高生役の仲間由紀恵がすでに仕上がってる。