ヌルハチ

暁の脱走のヌルハチのレビュー・感想・評価

暁の脱走(1950年製作の映画)
2.0
戦地で出会った慰問歌手と陸軍上等兵を、若く美しい山口淑子と池部良が演じる。
登場する悪の兵と善の兵の対比によって、反戦、軍部批判的なメッセージを強く感じる作品。

肉食系で自己主張が激しいヒロインはとにかく場を引っ掻き回すタイプで、三上を愛していると言う割には三上の立場がどんどん悪くなるような行動ばかりする。果たしてそれは愛といえるのか?疑問だ。単に価値観の違いかも知れないが、本当に愛するならばもっとうまく立ち回るべき場面はたくさんあったのではないか。
悪役の上官はもちろん嫌な奴だけど、三上の悲劇の原因はだいたいヒロインが作っているように見える。そういう部分で苛々する展開が多々ある。

ラストシーンの機関銃で打たれるシーンについて。池部良が「実際にはあの銃で撃たれれば木っ端微塵になってしまうが、あそこで美しく倒れるのが映画の魔法」というようなことを語っていた記憶がある。