YutaKoizumi

ラブ&ポップのYutaKoizumiのレビュー・感想・評価

ラブ&ポップ(1998年製作の映画)
5.0
アングルの切り方、カメラワーク、素早く変わるカットの数々、タイトルの入り方…
これだけでも何度も見返さなきゃいけないと思った。
すごいぞ庵野秀明(新人)。

ペダルと脚のチャリ漕ぎカット、魚眼風の顔のアップ、モノ視点で人を見るような撮り方(机の椅子越しや扇風機越し、モニター越しの時は文字が反転して映される)、透明度高い2つの別映像を重ねる、スカートの中が見えそうなローアングル…
ジオラマの動く列車視点からのショットなんて、トリスのCMの元ネタでは?
https://youtu.be/C0Ryj1fdQfY?si=l2JKpr_JAz7T9ozq

変態な平田満、暴力的な浅野忠信は素晴らしいし、なにより18?19歳で圧倒的オーラの仲間由紀恵がすごく印象的だった。

やけに冷めてて大人っぽいJK4人と、援助交際やジオラマ、人形に話しかけるや水泳に一所懸命で子供っぽい大人。
庵野のオルターエゴ脚本家の渡辺いっけいが、「(浅野忠信は)優しい人だ。君は魅力的だから安売りするなってことを伝えたかったんだ」などと言うのは、世紀末に援助交際に勤しむJKたちへのメッセージだろうし、今のパパ活女子にもぜひ聞いていただきたいものである。

会話の部分は整音されていないように、スタンガンや叫ぶシーンなどは綺麗に聴こえるのはわざとか?スタンガンは少しびっくりした。

ところどころエヴァ、レンタルビデオの射精とか。
せっかくお気に入りのネイルしたのに、手コキさせられた挙句射精されて、その後まじまじと手を見るシーンが印象的だった。あと、ローファーにこぼれ落ちる精液。

有名クラシック多めの選曲、特に冒頭のジムノペティ1番がいい感じでした。

1997年の渋谷、そして有名な渋谷川エンディングに想いを馳せて。
YutaKoizumi

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