山崎貴監督の「Returner」の冒頭、輸送船に積まれたコンテナの中に押し込まれ運ばれて来る子供達。阪本順治監督の「闇の子供たち」など、日本映画でも度々描かれる人身売買。
1989年から2003年までに相次いで発生した幼児児童失踪事件、北朝鮮による拉致問題、そしてジャニー喜多川による人類史上類を見ない未成年者に対する性加害事件など、決して対岸の火事ではないこれらの事件について我々一般人が詳細を知る事はなかなか難しいのですが、映画はそれらを丁寧に教えてくれますね。
本作では映画のエンドロールで主演のジム・カヴィーゼルのメッセージと共に支援も呼びかけて劇映画の枠を超えます。
果たして劇映画としてはいささかやり過ぎかとも思うのですが、しかしこの悪虐非道な犯罪をなんとかして食い止めなければならないという強い想いが観客にも伝わり、スマホをスクリーンに向けるしかなくなります。
と同時に、製作にメル・ギブソンの名前を見てなんとも複雑な気分に陥るのもまた事実なのでした…。