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サウンド・オブ・フリーダムのeverglaz0のレビュー・感想・評価

5.0
採点できないと思いました。Timothy Ballard 本人から直々に指名された主演のJim Caviezel が、多くの人に観てもらいたいとエンドロールで呼びかけているので星5を付けました。

医療は、病気や怪我という不幸に見舞われた人がいて初めて成り立つ仕事です。予防医療も、病に対する不安があるから需要があります。

もし本作をエンタメとして消費するなら、それこそ、不幸な子供達を犠牲にして成立する娯楽と言えるでしょう。実際の誘拐映像も流れました。

人類史で奴隷制が合法であった時より、現在の「奴隷」数が多いこと、小児性愛という性癖が珍しくないことに愕然とします。こっそり子供を喰らって生きている鬼かケダモノが、普段は人間の姿に化けて暮らしているのです。リアル鬼滅の刃です。
コロンビアの山奥で監視の下行われていたのはコカ栽培・収穫でした。収穫専門労働者を raspachín (scraper) と、ペースト加工のためにコカの葉を踏む労働者を pisadore (stomper) と呼ぶのだそうです。彼らの中にも、連行されあそこで成長した”Rocío”がいるかも知れません。シリンジでGPSを体内に注入し、ワクチン配布という口実でゲリラ組織に乗り込んでいましたが、極少量の麻酔薬でも入れておけば良いのにと思いました。

Caviezelの”Special Message”映像だけはスマホ撮影可でした。公開までに様々な壁にぶつかったと聞くと、それだけ人身売買ビジネス無しでは生きていけない畜生が蔓延っているのだろうかと心配になります。Ballard 本人も提訴され、自身が設立したOperation Underground Railroad (O.U.R.)を辞めました。確かに、あの大規模囮捜査のせいで、かえって新たな犠牲者が増えてしまうのではないかと懸念しましたが、「健全だけど利益の出ない方へ」物事を動かす時は、必ず邪魔が入るのが世の常です。

暴力行為の直接的な描写はないので、目を背けなければならないシーンはありませんでした。しかしあれだけの目に遭えば、そもそも歌わなければ良かったなどと悔いてしまいそうなものです。映画としては多少救いのある終わり方でした。


"Human trafficking is a $150 billion a year industry. The US is one of the top destinations for human trafficking and is one of the top consumers for child sex. There are more humans trapped today in slavery than at any point in human history, including when slavery was legal. Millions of these slaves are children."

There are 49.6 million people trapped in modern slavery worldwide, and 12 million of them are children. (ILO) (ourrescue.org)

Approximately 4 million Americans enslaved in the United States were freed at the conclusion of the American Civil War. (loc.gov)

ちなみにSt. Timothyの守護対象は、胃(の不調)、将来を模索する若者・学生、聖職者、宣教師。
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