このレビューはネタバレを含みます
【愛してくれる人を探して】
子供の頃、この映画ポスターの美しい2人に惹かれました。いつかいつか観てみたいと思いながら、気付けば廃盤とかで、レンタルは常に100人近く待機でした。たまたま未使用円盤が、かつて憧れたバイクポスターのカバーをまとい、ネットにて数百円で売られていて即買いしてしまいました。
そして満を持して鑑賞。うん十年?の期待を裏切る話でした。両極端な家族背景を持つ若い男娼MikeとScottを通し、悲壮感の漂う、切なくて儚い人生の断片として青春を描いていました。
外見が違うように、人生誰一人として同じ道を歩むのではない。けれど、気絶しなければ幸せを感じられないという状態は無防備で悲し過ぎます。Mikeは旅の途中でIdahoに住む兄Richard を訪ねますが、兄のトレーラーハウスの後ろにある家が、夢と想像の欠片に出てくる実家です。Mikeは気を失い眠ることで、過酷な現実から家族愛に満ちた世界(過去)へトリップしますが、その理想郷こそ彼自身のIdahoなのです。
Mikeは母親を見付けられなかったばかりか、告白してScottをも失ってしまいました。
拾う神の如く登場する最後の男性はRichardでしょうか。服装と車の色は同じなのですが、車種も同一かは分かりませんでした。
River Phoenixの演技は素晴らしく、後半、路上で這いずり回るシーンには息を飲みました。Keanu Reevesの美貌も絶頂の頃です。
個人的には一瞬映るJim Caviezelの笑顔が好きです。彼のデビュー作として鑑賞する方はまずいないと思いますが、大人になって自分の好みの変化もしみじみ感じました。