スーパースターとのめくるめく恋の真実に秘めた憂鬱。きらびやかな籠の中であなた色に染まってゆく小さな青い鳥はまだほんものの空の色を知らない｡ BitterSweetな淡いひとときはいつしか 'わたし' を形成し 永遠の愛を置き去りにしておとぎの国の檻をすり抜けそっと羽ばたいてゆく。窮屈な宝石箱の中で孤独を寄せあい笑いあった 彼とわたしだけが知っている大切な記憶､あのとき交わした愛おしい時間は永遠にふたりだけのもの
ピンクのふわふわなファーストシーンからすでに優勝｡インテリア ファッション 音楽、すべてが全力のきゅんに埋めつくされた完成度に プリシラがまさにその頂点を君臨。Saltburnでも麗しかったジェイコブくんの眩しさも霞むケイリースピニーのぷりぷりな可愛さはもう暴力の域。プリシラ目線の プライベートのエルヴィス像を覗いているだけの淡白な浅さではあるけどレトロガーリーなソフィアコッポラならではのあまい魔法に酔いしれ浸れる♡ 結末はまったく異なるけどヘアスタイルの変換も含め 同監督の｢マリーアントワネット｣を思わせる栄枯衰退な世界観｡あちらがマカロンな彩りならこちらはバタークリームのデコレーションケーキのような。
華やかなきらめきを浴びた後に残るフェミニズムな後味はどこか淡く溶けてゆく 綿あめの儚さにも似ている。
彼女の心情を映す｢I Will Always Love You｣の起用エピソード(別れの際にエルヴィスが実際に口ずさんだとか…)にきゅっとなる
