天才科学者が生みだす分子の音符を散りばめた数式の楽譜は 人類の想像をはるかに超えた音楽を奏で その壮大過ぎるメロディーはいつしか轟くような不協和音となって世界を未来をのみこもうとしている
オッペンハイマーの眼差しを通して知る原爆が落とされるまでの背景とその後の彼の罪と罰。国を守るという大義名分のもと知的好奇心を最大限に擽られ盲信で突き進んでしまった研究者ゆえの性と残酷､その先の直視できない現実への倫理的な葛藤や良心の呵責
彼の大胆で繊細で複雑な内面のピースと周囲の利己的で歪んだ嫉妬の渦が ノーランの時空を操るマジックによってドラマティックにはめ込まれ見えてくる人類の未来への憂い
はじめて知る スイッチを押す側の緊迫した瞬間とあの勇ましい足踏み 嬉々とする観衆から垣間見える敵国との温度差にかかるバイアス、その中でひとり 本当の地獄を知る当事者の苦悩と あのとき世界が滅亡していたかもしれないという真実への動揺が綯い交ぜになり あの破壊力に圧倒されて泣いていた
｢世界の破壊者｣によって開かれてしまったパンドラの箱､終始 'たられば' で語れそうな危うい地球の運命は天才達たちの描く未来予想図のままその悪夢の波紋を広げていくのか、その命運はこれからの私たちに託されているのかもしれない
アインシュタインの神がかった存在感✨️
憎たらしい蝶ネクタイ野郎の演者の正体には気づけず。
