Nanami

プリシラのNanamiのネタバレレビュー・内容・結末

プリシラ(2023年製作の映画)
3.7

このレビューはネタバレを含みます

ピンクの絨毯にボルドーカラーのペディキュア
フリルのドレス、濃いめのアイメイク、CHANELの香水

あ〜可愛い可愛い可愛い…一瞬たりとも可愛くない画面がない。
女の子の夢と憧れが詰まったジュエリーケースのような世界観。
やはりソフィア・コッポラはわかっている。

エルヴィス・プレスリーの元妻プリシラの物語。
たった14歳でエルヴィスに出会い、青春のすべてを捧げ、エルヴィスに愛された女性。
大変でないわけがない。年の差はあるし、女性にとっては厳しい時代背景もあり、籠の中の鳥みたいな生活だということは最初から予想できた。
エルヴィスからプレゼントされた犬と庭で戯れるだけで近所を彷徨いてるファンやマスコミの注目を浴びるからやめろと言われる。どんなに好きでも無理だわー…
プリシラはあまりにも若く、自身が置かれている状況の残酷さに気付くのに時間を要した。
エルヴィスが薬物に依存したり胡散臭い思想に染まったりもして嫌気がさすんだけど、お前はすべての女性の憧れの存在なのだから我慢しろと言われ、表面上だけお姫様扱いされる毎日。
エルヴィスが長期の仕事に出かけたらひたすら家で待たされる。浮気を疑えば干渉するなとキレられる。
そんなエルヴィスとプリシラにも間違いなく愛はあったのだけど、一緒にいてお互いに安らぎを与え合うことはできなくなっていた。
プリシラは自由になるべきで、これは自分でそれに気付くまでの成長物語と言っていい。
お姫様だったプリシラが、自分で車を運転してエルヴィスの豪邸を出ていくシーンは爽快!

エルヴィスの伝記映画ではプリシラの素顔にあまり触れられなかったし、ファンから嫌われているイメージがあった。今作は製作にプリシラ本人が関わっているのでかなりプリシラの視点に偏っていてエルヴィスがダメ男みたいに感じてしまうのだけど、比較するのも面白い。多分エルヴィスファンからは酷評されるんじゃないかな。

プリシラ役のケイリー・スピーニーめちゃくちゃ可愛い。
Nanami

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