ホリ

月のホリのレビュー・感想・評価

(2023年製作の映画)
4.6
深い森の中にある、
重度障害者施設。

“森の中に隠されているような”
意味合いから、
“人間の向き合いたくないもの…
見たくないもの”を
職員たちが障害者の方々を
介護する描写を通して、
切り取られていく。

最初は心優しい職員の少年が
繊細すぎるが故に、
壊れてしまう。
『心のないものは、
人間じゃない。
楽にしてやりましょう』
という価値観に徐々に変化していく。

一方で、
主人公は残酷な施設の実態を見ても、
向き合うことを諦めないという姿勢で、
少年と価値観が対立する形に。

主人公・少年の駆け引きに、
息を呑む緊張感が生まれていく。

二階堂ふみさん演じる
キャラクターも良い味を出しているよね…

自分のアイデンティティを
失わないために、
戦い続けるが、
その答えが環境によって
変わっていく。

人間や社会の本質に迫る、
非常に力強い作品だった。
鑑賞した後、
しばらく動けなかった…
ホリ

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