KEMTO

映画ドラえもん のび太の地球交響楽(シンフォニー)のKEMTOのレビュー・感想・評価

5.0
めっちゃしっかり感動した。
自分が日頃音楽をやっているというのもあるのだろうけど、これまでの映画ドラえもんの中で最も琴線に触れたし、個人的にはいちばん好きな作品。
この年でいちばんが更新されるとは思わなかった。
今後も折に触れて何度も観ると思う。ただ、音楽が良いのでできればまた劇場で観たい。

音楽という美への純粋な賛歌を感じた。
(マーケティング上は)児童向けの作品なんだろうけど、だからといって変に道徳・教訓めいた色が濃くないのがよかった(大人でも純粋に楽しめた)のだと思う。

ドラえもんなので劇中で物凄い悲劇が描かれるなんてことはないのだけど、途中はしっかり落涙した。
シーンは勿論音楽にやられた。A majorはF sharp minorと同主調だから、ミッカの歌は儚さを内包して美しいんだね…。
モーツァルトのピアノ協奏曲23番の1・3楽章と2楽章の対比が想起された。

映画ドラえもんはもう何年も観ていなかったけど、音楽だけでなくシナリオも良くて、総合的な完成度の高さに感銘を受けた。
(キャラデザも良かったし、日本のアニメ文化って本当に凄い)
心地よいテンポで進むから中弛みしないで済むし、ラストには当然上手くいって安心するんだけど、上手くいき方がイヤじゃない。
ドラえもんオタクを自任するならばちゃんと劇場版は毎年履修しないとダメだと認識を改めた。

以下、雑感。
・音楽家ライセンス欲しい(楽器をやっている人ならみんな思うはず)。特にキーホルダー機能
・アニメだと実写と違って演奏シーンのぎこちなさが気にならなくてよい
・子どもの頃よりもファンタジーを斜めから見なくなった気がする
・音楽をテーマにした作品ってなんだかんだしっかり観ていられる。音楽関連の作品を中心に観ていこうかな
・野良猫クロがミイちゃんに愛の歌を歌うシーンは、トムとジェリーが思い起こされてクスッと来た。そういえばトムとジェリーも音楽がすごく魅力的な作品だわ〜

この作品に影響されて音楽やりたくなる子どももいるんじゃないかな〜いるといいな〜。
KEMTO

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